「フリーランスが融資を受けるなんて無理・・・」と思ってませんか?
はい。私も思ってました。私は現在フリーランスのデザイナー。従業員もいませんし、社会的な信用力もほぼゼロ。
「自分なんかがお金を借りられる訳ない・・・」そう思い込んでました。
でもこの2ヶ月で状況は180度変わりました。
特に大きかったのは4月7日。108兆円の追加経済対策。戦後最大と言われる今の状況を乗り切るため、政府がGDPの2割にあたる資金を投入して、私たちでも融資を受けられる制度を続々と発表しています。
ただし、どんなに政府が「これで難局を乗り切ってください!」と手を差し伸べても、私たちが申請しないと恩恵を受けれません。条件を満たさないと申請できません。
そこで今回は「自分も融資受けれるの?」「数は?」「具体的な方法は?」について、実際に2つ融資を申請した私の経験も踏まえてお伝えします。
目次
融資の全体像
まずは融資の全体像です。
コロナ関連の融資情報が一箇所に集められてる神サイトです。
特にPDFは必見。これで全体像を把握しましょう。
→経済産業省ホームページ(新型コロナウイルス感染症関連)
→政策支援パンフレット(PDF)
オススメ融資4つ
PDFには多くの融資がありますが、特にオススメの融資が4つあります。
こちらの解説動画が一番分かりやすいです。
私がこれから紹介するのもこの4つです。
1.緊急小口資金
1つ目はこちら。社会福祉協議会の緊急小口資金です。最大20万円の融資を受けられます。いま最もオススメの制度です。
要件について
■融資額
最大20万円
■対象者
新型コロナウィルスの影響を受けた世帯
■利子
無利子
■返済期間
据置最大1年
返済最大2年
■保証人
不要
■その他
着金は承認後1週間程度
返済不要になる可能性も
対象者は広いです。新型コロナウィルスの影響を受けた世帯なら、事業主じゃなくても対象になります。
例えば旦那さんの給料は変わらないけど、奥さんが自宅待機になりパート収入が落ちた・・・こんな世帯も対象になる可能性が高いです。
ノーリスクなので、将来の備えとしていったん借りておき、使わなければ返済。無利子なので、そんな活用方法も可能です。
要件については、こちらのサイトも参考になります。
参考1)経済産業省パンフレット第5章【雇用関連】個人向け緊急小口資金等の特例
→政策支援パンフレット(PDF)
参考2)社会福祉協議会のホームページ
→全国社会福祉協議会
→埼玉県社会福祉協議会
融資までの流れ
全体の流れはこの表の通りです。
以下は表の「申込み」の流れです。
①電話予約
こちらから最寄りの社会福祉協議会を調べて電話します。
「コロナの緊急小口資金の件で・・・」と伝えれば良いです。訪問日時を予約できます。
②訪問
簡単な状況を説明します。必要書類を入手できます。
③電話予約
「書類用意したので持参したいのですが・・・」と電話予約します。
④訪問(申込み)
持参した書類をチェックしてもらいます。問題なければ申請完了です。
⑤貸付決定
後日郵送か電話で貸付決定の連絡があります。
融資までの流れ(私の例)
実際に私も申請してきたので、その時の流れを紹介します。
①電話予約(3月31日)
最寄りの社会福祉協議会に「コロナの緊急小口資金の件で申請したいんですが、どのような書類をお持ちすればよろしいでしょうか?フリーランスのデザイナーしてます」と電話しました。
すると「書類をお渡ししますのでお越しください。また、個人事業主の場合コロナの影響で売上減少したことを証明する書類を持ってきて欲しい。通帳とか請求書とか」と言われました。
「承知しました。本日用意できます。」
「では今日の16時はいかがでしょうか?」
「承知しました。16時に伺います」
ということで銀行の通帳のコピーを持参して訪問しました。
②訪問(3月31日)
簡単な状況を説明しました。「デザイナーをしてますが、コロナの影響で3月の売上が激減。先行きも不透明なので、一時的な生計維持のために20万円貸付いただきたい」と伝えました。
銀行の通帳で2月入金と3月入金を比較し、減少を示せたのでスムーズに進みました。「じゃこちらの書類を記入して、住民票や印鑑登録証明書も揃えてまたお越しください」となり今日は終了。
③電話予約(4月2日)
翌日さっそく市役所に行き、住民票と印鑑登録証明書を揃えました。4月2日に「書類用意したので持参したいのですが・・・」と電話すると、翌日16時に訪問することに決定。
④訪問(申込み)(4月3日)
16時、書類一式を持参しました。中身をチェックしてもらい、問題なかったので申込完了しました。かかった時間は40分ほど。
⑤貸付決定
後日郵送か電話で貸付決定の連絡あるとのこと(4月12日現在、連絡待ち)。
書類について
最寄りの社会福祉協議会に行けば全て入手できます。なお、地域によって書類が違うようですが、参考までに私の申請した地域の書類はこちらです。
→狭山市社会福祉協議会
申請のコツ(超重要!)
融資の相談や申請にはコツがあります。この記事で一番大事な部分です。
そのコツとは・・・
「自分の世帯は対象者に当てはまります!」というストーリーを事前に考えていくことです。
例えば「コロナの影響(休業、失業、お客の減少など具体的に)で世帯収入が減少している。先行きも不透明。一時的な生計維持のために貸付いただきたい」などです。
私の場合ですと「コロナの影響で、2月と比べ3月の売上が◯%激減している(通帳の写しを見せる)。先行きも不透明。でも落ち着いてくればオンラインの需要は全体的に伸びてるのでデザイン受注も戻ると見通している。なので一時的な生計維持のために貸付してほしい」というストーリーを伝えました。
大切なのは、社会福祉協議会の担当者があなたの世帯を「まさに融資対象となる世帯でした!」と上司に申請しやすいよう説明することです。できるだけ要件と同じ単語を使って相談し、書類を作成してください。
ちなみに同じ単語とは
・コロナで → 新型コロナウィルス感染症の影響で
・売上減って → 収入の減少があり
・お金が足りない → 一時的な生計維持のための貸付を必要としている
などです。
ストーリーの注意点としては、あくまで「コロナ影響で一時的に困ってる」ということ。あくまで融資なので、将来的には生活も立て直せる(返済の目処もある)。だから一時的に貸して欲しい。この流れが大切です。
具体的には
・いまコロナで困ってる自分ストーリー(失業、休業、売上減少など)
・将来は生活を立て直せる自分ストーリー(再就職活動中、売上回復の施策など)
この2つがハッキリ分かりやすく伝わる説明をしましょう。
2.雇用等調整金
2つ目はこちら。従業員を抱える事業主向けです。
対象は雇用保険適用事業所、支給対象労働者は雇用保険被保険者です。
動画で大河内税理士も仰ってましたが、一番申請が難しい制度です。
対象となる方は、他の融資を申請した後取り組むのが良いかと思います。
詳しくは以下を参照ください。
経済産業省のパンフレット第5章【雇用関連】雇用調整助成金の特例措置
→政策支援パンフレット(PDF)
厚生労働省のページも参考になります
→厚生労働省
3.日本政策金融公庫
3つ目はこちら。最大6,000万円の融資が受けられます。
法人や事業主向けですが、事業性あるフリーランスも対象。私も申請しました。
まずは以下を参照ください。
経済産業省パンフレット第2章【政府系融資 / 一般】無利子・無担保融資
→政策支援パンフレット(PDF)
分かりやすい解説動画はこちら
(今回はセーフティネット4号5号は無視)
要件について
■融資額
最大6,000万円
■対象者
新型コロナウィルスの影響を受けた法人・個人事業主で売上5%以上減少
2)売上5%減少(①過去3ヶ月平均 ②令和元年12月 ③令和元年10~12月)
※1)2)どれか満たせば対象
■利子
1.36%
※1 3,000万円までは0.46%(3年間)
※2 特別利子補給制度と併用で利子分返済(3年間)
■返済期間
据置最大5年
返済最大20年(設備資金)
返済最大15年(運転資金)
■保証人
不要
■その他
着金は1ヶ月程度(殺到中。申請遅れるほど着金も遅くなりそう)
対象者は事業主です。事業が新型コロナウィルスの影響を受け売上5%減少してれば対象になります。政府もなるべく融資が行き届くよう、条件を大幅に緩和してます。もし5%減少してなくても、将来の不安あるストーリーが作れれば対象となる可能性があります。ストーリーをしっかり作り、ダメ元でチャレンジしてみましょう。
融資までの流れ
①日本政策金融公庫の窓口へ
こちらから最寄りの窓口を調べて訪問します。郵送でも良いです。
②必要書類の準備
訪問前に、こちらから必要書類を一式ダウンロード。記入して持参します。
③記入済の借入申込書と必要書類を提出
必要書類を提出します。面談は別日に行われます。
④日本政策金融公庫の担当者と面談
後日面談日時の連絡があります。窓口に訪問するか、公庫と取引ある場合は電話面談のみの可能性もあります。
⑤担当者による現地調査・審査
緊急かつ迅速な融資を行うため、現地調査はほとんど行われてないとのこと。ただし後日行われる可能性はあります。
⑥融資の決定
現在とても混み合ってるため、1~2週間かかるようです。
融資までの流れ(私の例)
実際に私も申請してきたので、その時の流れを紹介します。
①日本政策金融公庫の窓口へ(4月7日)
書類一式そろえたので郵送でも良かったのですが、1日も早く申請したかったため、こちらから自分の本店住所が所属する支店を調べ、電話せず訪問しました。
②必要書類の準備(~4月6日)
訪問前に、こちらから必要書類を一式ダウンロード。記入して念のためコピーも取り持参しました。
③記入済の借入申込書と必要書類を提出(4月7日)
ツイッターなどでは「めちゃめちゃ混んでる」「書類渡すだけで3時間並んだ」などのツイートがあったので、余裕を持って訪問しました。実際に並んでたのはたった1人。どうやら混雑してるのは東京や大阪など大都市に限ってるようです。
提出した書類は
・運転免許証(写し)
・借入申込書
・新型コロナウィルス感染症の影響による売上減少の申告書
・ご商売の概要
・最近2期分の申告決算書(写し)
の4点を提出しました。
私の場合、もう2点を追加でお願いされました。
「確定申告書B」の第一表と第二表です。念のため2期分の決算資料を持参していたので、その場で写しを提出することができました。ほっ。
④日本政策金融公庫の担当者と面談(4月24日)
後日面談日時の連絡があります。「1週間ほどで連絡すると思います」と言われましたが、実際は2週間ほど。公庫は初めてなので、訪問することになると思ってましたが、電話での面談となりました。
ひと通り準備していたストーリで状況を分かりやすく伝え、20分ほどで面談終了となりました。
⑤融資の決定(5月2日)
融資決定の書類が届きました。
すぐに返送しようと思ったのですが、ちょうどGWに入ったこともあり、役所で印鑑登録証明書を発行するのと、銀行で預金口座振替利用届に印鑑をもらうことができず、GW明けまで待ち、5月7日に書類を返送しました。
⑥融資の振込(未定)
書類について
国民政策金融公庫のホームページから書類一式ダウンロードします。
①借入申込書
②新型コロナウィルス感染症の影響による売上減少の申告書
③ご商売の概要
④最近2期分の申告決算書(写し)
4点を記入して提出します。
申請のコツ(超重要!)
こちらも社会福祉協議会の緊急小口資金と同様、融資の相談や申請にはストーリーが必須です。
ご自身の事業内容と売上減少の状況に合わせてストーリーを考えてみてください。
こちらの動画も参考になります。
4.持続化給付金
4つ目は、最近テレビや新聞で100万円、200万円支給と言われている給付金です。
対象は法人や事業主です。
詳しくは補正予算の成立後となりますが、概要が経済産業省のパンフレット24ページに記載されてます。対象者は一読しておきましょう。
経済産業省パンフレット第3章持続化給付金
→政策支援パンフレット(PDF)
分かりやすい解説動画はこちら
5.持続化補助
5つ目として、最後に補助金を1つ紹介します。小規模事業者向けです。費用の2/3,上限100万円まで補助が拡大されました。年に数回行われており、次回は6月5日締め切りです。
もし小規模事業者で、補助金を活用して販路拡大したい場合、申請してみることをオススメします。
補助の趣旨は「ブランド向上、販路拡大による売上向上」です。
例えば販売促進のためホームページ作成、パンフレットやチラシ作成、広告運用など。
経済産業省のパンフレット第4章【生産性革命推進事業】持続化補助
→政策支援パンフレット(PDF)
分かりやすい解説動画はこちら
■補助上限
最大100万円
補助率:2/3
例えば150万円の販路開拓した場合、上限100万円補助
■対象者
小規模事業者の販路開拓等
新型コロナウィルスの影響を受けたものの
前向きな投資を行う小規模事業者
最後に
2ヶ月前の私はこんな状況になるとは思ってませんでした。夏には東京オリンピック。秋にはキャンプや合宿、海外旅行。楽しく過ごす計画を立ててたんです。
しかし、コロナの影響で生活は一変しました。最低でも1年はコロナの影響が続く。そう覚悟してます。しかもコロナ収束後の世界も不透明。元通りの生活ができるのか。世界はどうなっているのか。想像もできません。
こんな時こそお互いが支え合って生き延びる。繋がりが大切だと思ってます。
今の私が貢献できることは、融資の情報を分かりやすく伝えること。
そう思い、取り急ぎ私がこの2ヶ月で入手した最新情報をすべてまとめました。
この記事で1人でも支えられれば嬉しく思います。
大変な状況が続きますが、一緒にこの難局を乗り越えて行きましょう。
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